
2024年10月に「コンテンツセキュリティ基盤Boxとの連携活用」をテーマに開催されたウェビナーのサマリーを全5回にわたるブログシリーズにしてお届けします。
今回の第4回目は、コンテンツ基盤としてのBoxの集約という点で3つの疑問のうち、最後のひとつについて考察し、まとめに入ります。
前回の記事はこちら
③Boxの活用基盤として採用した展望
3点目は、Boxの活用基盤として採用した展望についてです。
先ほどもレポートについてお話しましたが、Box AIというのは非常に魅力的で、DXの実践に役立つ機能が満載です。
私も正直なところ、AIとは言ってますが「本当に使えるのかな」と期待していませんでした。しかし、現状、かなり使える状態になってきたなと実感しています。Box Hubsというものがあり、ポータルチックな機能とBox AI for Hubs、いわゆるBoxをAIの中でしっかりと活用していく意味ではHubsとAIを組み合わせて使うことがお勧めです。
Box Hubsとは、チーム内で注目されているコンテンツやシェアしたいコンテンツをお気に入りのような形で共有できる、まとめのポータル機能です。基本的にBoxの中のコンテンツは、権限がついているものが雑多に見えてしまうという特徴もあります。なので、その中でも特に、AIを使うために「これはすごく重要で、チーム内で共有しておかないといけない情報ですよね」というのをまとめておくと、それを、社内の知見とかナレッジ集約に使えるんじゃないかという話になります。
例えば、人事ポータルやITサポートなどです。セキュリティ的に発信しておきたい過去のメルマガの内容や、IT管理者の方に情報システムの方が問い合わせを受ける内容をHubsの中に登録しておきます。その中でAIのナレッジを使っていただくことでHubsを活用したAIの回答というのも返してくれるようになります。
Hubsについて
ここでHubsをお見せしたいと思います。弊社のHubsはいろんなHubsをテストしている段階なのでまだ少ししかありませんが、このプロダクトチームHubsというのを見てみましょう。
Box AIを搭載したエンタープライズプラスというプランを弊社では使っています。Boxのプロダクトチームの中に、過去にお客様に提案した資料のまとめやBox Relayという製品についての資料、パートナー様向けの共有フォルダ、お客様との資料、あとは新しい製品に関する機能など、どんな情報が欲しいのかというのを選んで投げ込みます。
「Box Shieldについて教えて」と質問すると、このHubsの中に登録されている情報のみから文章を検索して返してくれます。例えば「総理大臣だれ」など外部の不必要な情報というのは入れないようにしています。Hubsの中に入っている精度の高いコンテンツから回答を返してくるので、回答の内容も粒度の高いものになっています。
Hubsは脅威検出機能がありますし、ユーザインターフェースでセキュリティ警告が表示されるような検出ルールが取れたり、文書分類、ダウンロード制御ができたりもします。あとセキュリティのストレスを極限まで抑えた不注意、悪意のある操作の防止なども可能です。
ぜひこのHubsとAIというのを組み合わせて活用いただきたいのですが、やっぱりその中でも課題というものもあります。コンテンツを外に漏らしてもいいもの、ダメなものというのは制御をかけないといけないという課題です。
極秘情報や社内情報を間違ってHubsとかAI基盤の方にデータを流してしまわないか、というお悩みを多く耳にします。そこはBox Shieldで柔軟に制御することが可能です。重要度の高い情報や個人情報、あとは操作ミスによって外部公開できないように管理者の方で制御をかけたりすることができます。重要度の可視化にも役立ちますし、公開制御の部分にもBoxは力を入れてやっていますので、制御機能は他の製品と比べても優秀と考えております。
まとめ
コンテンツを集約する意義、まずはランサム対策という観点はやはりBoxの最大の強みと言えます。他のサービスと比較しても、120種類以上のログなども含めてかなり優秀です。
あとはランサム対策ほどの予算はつけられないお客様も多くいらっしゃいますが、企業内のセキュリティ統制ってすごく大事になってきます。
Zoomミーティングでのリモート会議が増え、出社日は減っているため転職も可発になっていますし、大量のデータを持ち出しやすくなっているというのもありますので、企業内持ち出しというのはかなりリスクです。現状はまだ把握できていないだけかもしれません。Boxを利用してしっかりとそこを検知していきましょう。
データの大量持ち出しをBoxを使っていたから発見できた、というお客様も本当に身近にいらっしゃいました。怖いなと思います。今まで多分気づいてなかっただけなんですね。その時にはBoxを利用することで気づけたという感謝の言葉をいただきました。
セキュリティ統制をかけながらAIを使うことで、具体的に業務が劇的に変わるのかどうかという点では、まだ1、2年先の話かなとは思います。そのため、AI活用の知見を今のうちに集約していく、この2、3年でセキュリティを危惧する基盤を作っていくというのが重要です。3年後、4年後、5年後にはしっかりとAIが業務の中に当たり前に浸透している時代に必ずなりますので、はじめのステップのところを一緒にやらせていただければと思います。
社内ポータルだけではなく、人事IT部門からの情報発信や、人気コンテンツを集めて検索できる社内のナレッジデータベースを作っていきましょう。また、新入社員、中途社員、管理職研修など、学習コンテンツを集約する場所にしていきましょう。
あとは営業、技術、開発、経理、人事、それぞれの部門の技術や知見を共有するデータベース、成功した例やここでは失敗したといった事例の共有もしていただければと思います。Hubsでは9月末時点で外部共有もリリースされました。外部のお客様向けにAIを公開し、御社から提供するお客様情報を検索していただけるような展望もありますので、ぜひ外部共有や社内共有のトリガーとしてBox Hubsを検討いただければと思います。
Boxを使っていただくと、当たり前ではありますが、双方向のコミュニケーションがかなりやりやすくなっていますので、チーム内コミュニケーションや社外コミュニケーションを楽しんでいただければと思います。
マクニカからのセッションは以上です。ここからはMONO-X様にバトンタッチしてお話をいただければと思います。
次回の記事では、IBM i とBoxの連携を簡単に実現できる手法やIBM i ユーザー向けのご支援サービスをご紹介します。
続きの記事は更新までお待ちください。
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