Rewrite the Standard.

PVS One パートナー インタビュー:「契約後こそが本当の支援の始まり」——日本IBM 小野田氏が語るCSMが果たす役割とは

2024.12.23

PVS Oneを支える IBM i ソフトウェア保守の “レジェンド”登場!

IBM i のクラウドリフトをご支援するPVS One。そのPVS Oneを支える「人」に焦点をあてたインタビュー企画がスタートしました。その第1回目は、IBM Power Virtual Server (以下、PowerVS)をはじめIBM Cloudの活用支援を行っている、日本IBM カスタマーサクセスチームの小野田さんです。

(左)MONO-X 下野、(右)日本IBM 小野田様

MONO-Xでは、PowerVSを有効活用するご支援を多くのお客様にご提供していることから、日本IBM様よりMONO-X向けに 非常に厚い体制でのご支援をいただいています。

小野田さんは、日本IBMのカスタマーサクセスチームに所属され、日頃より弊社のサービス品質の強化や新サービス開発に向けて、幅広く深いご経験や知識をもとに、ご支援くださっています。また、IBM i のソフトウェア・サポート(QA・障害時の問い合わせ先)のレジェンドとして、長年IBM i ユーザー様を支えてこられました。そして、昨今は IBM Cloudのユーザー支援をされています。今回は、そんなMONO-Xにとってかかせない人物である小野田さんに下野がお話を伺います。

IBM i × IBM Cloud でお客様満足度を高める

下野
小野田さん、今日はよろしくお願いします。弊社では IBM i ユーザー様に向けて、クラウド化の支援サービスを強化してきました。その中で、IBM i も IBM Cloudも熟知された小野田さんから サポートをいただいていることは、PVS One を完成度の高いサービスにする上で、大変助けられています。そんな小野田さんがPVS Oneをどのようなお立場でサポートされているのか、小野田さんの今についてお聞かせいただけますでしょうか?

小野田
ありがとうございます。私は今、日本IBMのクラウドCSM(カスタマー・サクセス・マネージャー)として、契約後のお客様の伴走支援を行っています。契約が終わったら終わりではなくて、むしろそこからが本番です。お客様がIBM Cloudを最大限に活用できるよう、技術的なサポートだけでなく、活用方法の提案も行っています。特にクラウドサービスは、導入後のサポートが重要です。新しい機能の情報提供や、お客様の業務効率を上げる使い方の相談窓口、万が一何か不測の事態が発生してしまった場合にも迅速なご支援を行っています。お客様の課題を一緒に考え、活用方法を模索するのがCSMの役割です。

CSMの主な役割は以下の3つです。

・お客様に新しいIBM Cloudの使い方を提案し、活用の幅を広げていただくこと
・お客様がクラウドを継続的に活用し続けられるよう、支援を行うこと
・お客様の声を社内にフィードバックし、IBM Cloudの改善につなげることです

こうした3つの役割を担いながら、お客様の満足度を高める活動をしています。

下野
小野田さんは、IBM i のお客様を裏側で支えてこられたご経験が長いかと思います。その経験が現在のCSMとしての活動にどのように活かされていますか?

小野田
私はIBM i の前身であるAS/400のアナウンスメント・タスクに携わった経験もあり、技術的な変遷や製品の進化を深く理解しています。その知見を活かして、IBM i の技術支援やサポート業務を長年担当してきました。10年前、SoftLayerが日本に上陸した際には、IBM Cloudの日本データセンター設立に伴い、日本語のサポート体制を立ち上げる初期メンバーとして参画しました。その後、一度IBM Cloudから離れ、再びIBM i の分野に戻りましたが、2021年に日本でCSM職が新設された際、クラウドとポスト・セールスの経験が評価され、一人目のクラウドCSMに就任しました。以来、約3年間、IBM i とIBM Cloudの両方の知見を活かしながら、より多角的なサポートを提供することを心がけています。

下野
IBM i と IBM Cloud 両方の知見がまさに発揮されていますね。IBM i と IBM Cloud両方の技術に精通された小野田さんに、日常的に様々な相談相手になっていただけるのは、MONO-Xとしても非常に心強く、PowerVSを利用するためのサービスとして、完成度を高めていくうえで、弊社の様々なメンバーが大変頼りにさせていただいております。

カスタマーサクセスを強化する IBM。クラウドリフトが新しいスタート。

下野
昨今、IBMではカスタマーサクセスを非常に強化されていると伺っております。どのように強化されているのでしょうか。

小野田
私は クラウドCSMの立ち上げ期に参画し、徐々に大きな組織へと成長してくるところを見てきました。さらに、ソフトウェアや技術サポートを行う多数の専門家が加わり、より強力な支援体制を築いています。各社のお客様とは定期的な会議を行い、進捗を確認しながら、今後の活用方法を一緒に検討していきます。また、Slackの専用チャンネルを開設し、そこにお客様も参加してもらうことで、気軽に質問できる環境を作っています。

下野
小野田さんは、かなり早い段階から PowerVS の情報を積極的に発信されてきたかと思います。そんな小野田さんがオススメするリソースを教えていただけないでしょうか。

・IBM Cloud公式資料

基礎的な情報がまとまっており、新機能のリリース情報や技術仕様も確認できます。
ご参考:IBM Cloud公式資料

・Qiita

IBMの技術者やお客様のエンジニアが投稿した記事が多く、操作手順のスクリーンショット付きの解説やトラブル時の対処方法がまとめられています。実際に多くのお客様が「Qiitaの記事を見て解決できた」と評価している情報源の一つです。私自身もQiitaに記事を投稿していますが、「IBM Cloud Qiita」で検索していただくと、技術的な課題を解決するヒントがすぐに見つかります。これまでのドキュメントに比べて、実際の手順が見える形で説明されているのが特徴ですね。
Qiita:IBM Cloud
ご参考:PowerVS IBM i 日記: Index

・connpass

IBM Cloudの新機能の使い方や、IBM i との連携方法などをテーマにしたセミナーも随時開催しており、そこでしか得られない最新情報を学べる機会が多いです。 
connpass :IBM TechXchange Dojo
ご参考:IBM Cloud PLUS – #3 IBM PowerVS 入門と最新情報

「閉じ込められないこと」が IBM Cloud の強み

下野
私たちもPowerVSをご提案していると、PowerVSの価値は、IBM i を柔軟に使えるということだけでなく、PowerVS以外も含めた、IBM Cloudの総合力でご採用いただくことも多くあります。IBM Cloudには、様々な魅力があると思いますが、小野田さんは、IBM Cloudの強みをどのように感じられていますでしょうか?

小野田
IBM Cloudの特徴は、「オープン性」と「マルチプラットフォーム対応」にあります。他社のクラウドでは、独自の機能に依存すると他の環境に移行しにくくなることがあります。しかし、IBM Cloudは「お客様が自由に選べる環境を提供する」ことを重視しています。

小野田
具体的には、IBM i、AIX、Linux、Windowsの各OSに対応しており、さまざまな環境での動作が可能です。さらに、Red Hat OpenShiftを活用したコンテナ環境により、他のクラウドからの移行も容易です。また、AI分野でもオープン性を強調しており、例えばwatsonxはIBMの自社モデルだけでなくオープンソースやサード・パーティーのAIモデルも活用しています。

下野
選択肢が多いのはお客様にとってもありがたいですね。技術的に「閉じ込められない」設計が評価されているんですね。

小野田
その通りです。IBM CloudがさまざまなOSや技術と連携できる背景には、IBMのオープンな製品戦略があります。例えば、IBM i(旧AS/400)は、1988年の登場以来、オープン化への対応を進め、現在でも多くの企業で基幹業務を支えるシステムとして活用されています。

進化を続けるPowerVS

下野
では、これからのPowerVSに関して、お話をお伺いしたいと思います。私の印象では、最近、PowerVSの進化が止まらない印象があります。IBM様のそういった姿勢からも、今後、ますます PowerVSが、IBMのサービスの中でも高い注目を浴びていくと感じています。PowerVSを長期間、一番近くで見てこられた小野田さんは、どのように見られていますでしょうか。

【小野田】
IBMはPowerVSに完全にコミットしています。今年のPowerVSとその上のIBM i に対する機能拡張をご覧いただければ、ご理解いただけると思います。以前PowerVSをご紹介して採用に至らなかったお客様にも、最新情報を確認いただきたいと思います。これまでオンプレからPowerVSへの接続が単純ではありませんでしたが Power Edge Router (PER) で柔軟に接続できるようになりました。StorageもI/O速度制限をポータルでクリックするだけで停止せずに切り替えられるようになりました。また、Cloud上でDC上のホスト占有やオンプレにPowerVSを構築することも選択できる様になりましたし、この12月には仮想シリアル番号(Virtual Serial Number:VSN)が利用できるようになりました。すいません、熱が入ってしゃべり過ぎました。

下野
では、最後に弊社への期待を一言お話いただけるとうれしいです。

小野田
2024年にMONO-X様はPowerVSのマネジメント・サービス、API化、コードレス開発をIBM Cloudのカタログで全世界に提供を開始されました。IBM Cloudがオフィシャルに認め、日本の枠にはまらない稀有のパートナーであるMONO-X様の世界進出にCSMとして伴走させていただければ幸いです。
IBM Cloudカタログhttps://cloud.ibm.com/catalog?search=mono-x#search_results

下野
本日はありがとうございました。Power Virtual Serverに関しては、弊社は日本一、いや、世界一、熟知している会社だと自負していますが、そのクラウドチームの様々な相談先になっていただいて、大変感謝しています。今後ともご協業をよろしくお願いいたします。

お客様が安心してクラウドを活用できる環境へ ー PVS One

MONO-XのPowerVSサービスを支える日本IBMのカスタマーサクセスチーム。その中心的な存在が小野田さんです。クラウドの契約後こそが本当の支援の始まり。PVS Oneを利用すれば、小野田さんの支援を間接的に受けられるのも大きな魅力の一つです。ぜひ、PVS Oneの導入をご検討ください。
PVS Oneに関するお問い合わせはこちら

監修者の写真
インタビュアー
株式会社MONO-X 下野皓平
一橋大学卒業後、日本IBM入社。10年間 IBM i 統括部などで営業や事業開発を経験。2020年当社に入社し、同年6月 取締役に就任。