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【第6章(2/2)】今の時代にこそ利用すべきIBM i |『IBM i 2030 AI・API・クラウドが創る』

2025.02.12

2024年7月、IBM i ユーザーと関係者の皆さまへ向けた書籍『IBM i 2030 AI・API・クラウドが創る』を出版いたしました。本書の内容をより多くの方にお伝えするため、当ブログでは各章の要点を連載形式でサマリーとしてご紹介いたします。本記事では全体像を簡単にご理解いただき、さらに詳しく知りたい方はぜひ書籍の詳細をご覧ください。
今回は、【第6章(2/2)】今の時代にこそ利用すべきIBM i(本書P.128~)の内容をまとめています。

IBM CloudでIBM i が使えるPVS。実績とよくある誤解

2019年に登場したPVSは、当初提供地域が限られ、機能も段階的にリリースされたため、多くの企業が様子見をしていました。しかし、2024年時点では、世界中のデータセンターで提供され、機能も充実。特に仮想化機能の強化により、大規模なデータ処理や高度なセキュリティ対策が可能になり、多くの企業が導入。現在、8割以上が本番環境で利用しています。

採用地域別では、アメリカが最多で、日本がそれに続いています。日本では、売上規模が数億円から1兆円規模まで幅広く、製造・金融・運輸・情報通信・流通など基幹システムが重要な業種での導入が進んでいます。IBM i のクラウド化が本格化していることを示しています。

PVS導入時に重要な要素の一つがネットワークであり、クラウドとの接続方法が課題となります。専用線、インターネットVPN、ハイブリッド構成、災害対策を考慮した複数拠点構成など、要件に応じたネットワーク設計が必要であり、「ネットワークを制するものはクラウドを制す」と言われるほど重要視されています。

IBM Cloudでは、PVSだけでなく、WindowsやLinux、VMware環境も利用可能で、一括クラウド移行やマルチクラウド連携も可能。オンプレミスと比較して価格差は大きくなく、ハードウェア更新不要、周辺環境の構築容易、災害対策やメンテナンス性の向上、CO₂削減といったメリットが評価されています。

普及の課題として、一部に誤解が存在します。「PVSは本番環境で使えない」「トラブルが頻発する」「ネットワークを含めるとコストが高額」「Iサポートのレスポンスが悪い」「構築費用が高すぎる」「一次言語が英語しか使えない」などの認識がありますが、実際には誤りであり、8割以上の企業が本番環境で活用しています。IBM i ユーザーの選択肢を広げるためにも、こうした誤解を解消していくことが重要と考えています。

SDGsの観点から見た超高効率なIBM i

SDGsの達成には、企業が持続可能な社会の実現に向けて社会的責任を果たすことが不可欠です。その中でも、CPUのコア数は重要な要素であり、消費電力と温室効果ガスの排出に直結します。オンプレミスで物理サーバーを運用する場合、その企業は温室効果ガス排出の責任を負うことになります。

当社では、PVSの活用支援を行っており、日本トップクラスの運用実績を持っています。本番環境において、PVSの最低スペックであるCPU0.25コアでも基幹業務の処理が可能です。OS、データベース、アプリケーション、運用管理、バックアップといった機能がこのスペックで動作するのは、IBM i のオールインワン設計と仮想化技術の強みです。

一方、IBM Power上で動作するAIXは多くのCPUやリソースを必要とします。ITベンダーにとってはリソース消費が多い方がビジネス上の利益になりますが、持続可能な社会を考えれば、効率的なIT資源の活用が求められます。その解決策として、IBM i の超高効率なITプラットフォームが注目されます。

IBM CloudのPVSを利用することで、自社で物理資源を持たずにクラウド上で最適なリソース活用が可能になり、経済全体でのIT資源利用の最適化に貢献できます。

オープンソースとレガシーのハイブリッド開発基盤

IBM i は、AS/400から継承された基幹業務システムとしての特性を活かしつつ、進化を続けています。従来の業務アプリケーションの資産継承性を維持しながら、PythonやNode.jsなどのオープンソース技術も活用できる環境を提供。開発ツールもIBM純正に限らず、Visual Studio Codeを用いたRPG開発が可能です。

IBM i は、高度な仮想化機能により、他のプラットフォームでは難しい長期的な互換性を実現。これにより、業務都合に応じたシステム変更が可能でありながら、無駄な改修を最小限に抑えることができます。そのため、レガシーなシステムと見なされがちですが、実際には最新技術と融合したハイブリッドな基盤としての強みを持ちます。

さらに、システムの安定性に優れ、運用負荷を低減できるため、新たなビジネスへの挑戦を支援。SDGsの観点からも、IBM i の活用が環境負荷の低減に寄与する点も注目すべきポイントです。

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