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【第1章 1/3】IBM i とは何か? AS/400から受け継ぐ唯一無二のビジネス専用のアーキテクチャー|『IBM i 2030 AI・API・クラウドが創る』

2024.11.06

2024年7月、IBM i ユーザーと関係者の皆さまへ向けた書籍『IBM i 2030 AI・API・クラウドが創る』を出版いたしました。本書の内容をより多くの方にお伝えするため、当ブログでは各章の要点を連載形式でサマリーとしてご紹介いたします。本記事では全体像を簡単にご理解いただき、さらに詳しく知りたい方はぜひ書籍の詳細をご覧ください。
今回は、【1章 (1/3)】IBM i とは何か? AS/400から受け継ぐ唯一無二のビジネス専用のアーキテクチャー(本書P.33~)の内容をまとめています。

第1章 IBM i とは何か? AS/400から受け継ぐ唯一無二のビジネス専用のアーキテクチャー

IBM i について「OS」という枠組みで語られることが多いですが、その本質は単なるOSにとどまりません。IBM i がなぜ従来のOSとは異なるのか、その多機能性と独自のアーキテクチャについて、3つの項目に分けてご紹介します。

1. 単なるOSにとどまらないIBM i の多機能性
IBM i は一般的には「OS」として認識されていますが、その役割はそれ以上です。一般的なOSの枠組み(Windows、macOS、Linuxなど)は、ハードウェアとアプリケーションを仲介する機能が中心ですが、IBM i はこれをはるかに超え、データベース管理、アプリケーション開発、実行機能、セキュリティ管理、運用管理、バックアップまで、ITシステム環境全体をカバーします。

2. IBM Powerとの一体化
IBM i はIBMの専用ハードウェア「IBM Power」上で動作し、OSとハードウェアがシームレスに統合されています。この一体化により、通常のOS以上の高いパフォーマンスと安定性を実現しており、エンタープライズ向けに特化した包括的なソリューションとなっています。

3. IBM i はOSではない!?
一般的なITシステムはハードウェア、OS、ミドルウェア、アプリケーションの階層構造で構成されますが、IBM i はこれらをすべて統合した独自のアーキテクチャです。このため、OSとしてのカテゴリに収まりきらず、従来のOSとは異なる「唯一無二」の存在といえます。

まとめ
IBM i を理解するには、単なるOSという枠を超えた視点が必要です。ソフトウェアとしての機能で分類すればOSに近いものの、実際は一つのシステム全体を管理するプラットフォームであり、IBM i がITの世界で独特な位置を占めている理由がここにあります。

ITの常識から逸脱したビジネス用途特化型アーキテクチャー

IBM i の本質を理解するには、一般的なITインフラである分散系システムとの違いを知ることが重要です。従来の分散系では、データベースやWebアプリケーションなど各機能ごとに専用のサーバーが必要で、仮想化環境でも同様に構成されることが一般的です。しかし、IBM i は単一のサーバーで必要な機能をすべて内包し、業務システムを効率的に稼働させることが可能です。

このアーキテクチャの独自性は、1988年に登場したAS/400からの35年以上にわたる進化に根ざしています。AS/400の系譜を受け継いだIBM i は、長期間にわたりビジネス基盤を支えるプラットフォームとして、多くの企業で今も活用されています。通常のITシステムが数年ごとにサーバー更新やOSのアップグレードを必要とする中、IBM i は安定的な稼働を実現し、システム更改の頻度とコストを大幅に軽減します。

IBM i を導入することで、ITシステムの運用負担が軽減され、企業は戦略的にITを活用できるようになります。このアーキテクチャは、ITインフラにとらわれず、長期的に企業の成長を支えるために設計された「ビジネス用途特化型」のシステムです。

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