
多くの企業が日常的に行っているFAXでの受注業務ですが、手作業が多く、確認ミスや入力ミスが発生しやすいため、生産性の低下や人手不足の課題を引き起こします。近年では、OCRやAIを活用したシステムの導入により、FAX受注を自動化・効率化する動きが広がっています。本記事では、FAX受注業務における非効率な点を整理し、業務改善につながるシステムの種類や導入時の注意点について詳しく解説します。
FAXの受注を効率化するべき理由
FAXは長年にわたり業務で活用されてきたツールですが、手書きの文字が判読しづらかったり、紙の管理が煩雑だったりと、業務効率を妨げる要因も多くあります。「読みづらくて確認に時間がかかった」「転記ミスが発生した」といった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。では具体的に、FAXのどの点が業務負担や生産性低下を招くのか、詳しく見ていきましょう。
取りに行く手間がかかる
FAXは受信したタイミングで書類が自動的に印刷されるため、書類が印刷されるたびに席を離れる必要が発生します。
オフィス内での作業なので、「1回の移動時間は短いから大丈夫」と感じる方もいるかもしれません。しかし、それが積み重なるとどうでしょう。膨大な時間を移動に要することがわかりますし、その都度作業を中断するため、確認作業が増えてしまったりと、生産性を下げる原因となるのは明らかでしょう。
また、手元の作業を優先しFAXを一定量溜めてから確認すると、関係のない書類が混ざっていないか確認し、不要なFAXを仕分ける作業が発生してしまうため余計な手間がかかってしまいます。
人為ミスが発生しやすい
FAXの注文書は手書きで送られることが多く、読み間違いや入力ミスなど人為的なミスが発生するリスクが高くなります。
例えば、正しくは「10個」と書かれた注文書が「16個」と誤認されるというミスが発生したり、正しく読めたとしても入力時に誤った数値を入力してしまったりなど、取引先とのトラブルにつながってしまうため注意が必要です。
また、正式名称でない商品名が書かれている場合や読みにくい字で書かれた注文書は、電話などで確認する必要が発生するため、業務の効率を下げる要因になりますし、誤った注文を受注してしまうと、返品や交換の対応が発生し、余分なコストもかかってくることも忘れてはいけません。
検索に時間がかかる
FAXでの受注は紙ベースで管理されるため、デジタルデータのように簡単に検索することができません。
過去の受注データを確認するためには、大量の紙の資料から探し出す必要があり、業務の非効率化を招く要因となります。受注件数が多い企業では、保管する紙の量は膨大になり、書類の仕分けやファイリング作業も一定時間が必要となってしまいます。また、保管場所の確保も検討する必要があり、コスト負担となる可能性もでてくるでしょう。探す手間やスペースの確保に加え、紛失のリスクもあるため、効率的なデータ管理のためにはデジタル化が重要といえます。
外から確認ができない
FAX受注の書類は基本的に社内で保管されるため、外出先やテレワーク時に確認することができません。
そのため、外出中に急な問い合わせがあったとしても、原本を確認するためには自分でオフィスに戻る必要があります。顧客対応のスピード感は低下してしまいますし、顧客満足度の低下に直結する可能性があるのは大きな問題です。
また、原本は社内から持ち出すことができないため、リモートワークやハイブリッドワークが普及する現代において、FAX受注のままでは柔軟な働き方に適応できません。災害や緊急時に出社が困難な場合でも、紙の書類しかなければ業務の継続が難しくなってしまうでしょう。
FAXの受注を効率化するシステムやAIサービス
業務効率化や人手不足の解消が求められる中、FAXに依存した受注業務からの脱却は多くの企業にとって急務となっています。しかし実際には、「FAXをやめたいが、どこから手を付ければいいか分からない」と悩む担当者も少なくありません。そこで本章では、FAX受注を効率化するために活用できるシステムやAIサービスを具体的にご紹介します。
受発注システム
FAXを使わず、システム上で受発注を完了させる方法です。
システムを活用することで、データ入力の手間がなくなり、人為的ミスを抑制することができますし、リアルタイムで在庫検索することも可能になります。
さらに、取引先とデータを共有することが可能になるため、納品書や請求書もシステム上で一元管理できます。スマホやタブレットからの受注もできるため、どこにいても対応可能になるのも利点です。
また、受注データはそのままシステムに入力されるため、経理担当の仕訳作業も不要となり、会社全体で効率的な運用が可能になります。ただし、導入には顧客の業務フローの見直しをおねがいする必要があるため、スムーズな移行のための準備や話し合いが重要です。
PC-FAX
PC-FAXとは、パソコンと複合機を接続し、FAXの送受信をデジタルで行う仕組みです。受信したFAXは自動でPCに転送され、紙を使用せずに内容を確認・保存できるため、印刷や仕分けの手間を大幅に削減できます。業務効率が向上するだけでなく、紙の使用量を抑えられる点もメリットです。また、必要に応じて紙でのFAX送受信も可能なため、取引先によって対応を変えられるのも魅力です。FAXの利用頻度が高い企業や、段階的にデジタル化を進めたい企業に適した方法といえるでしょう。ただし、複合機がPC-FAXに対応している必要があり、非対応機器の場合は新たな設備投資が必要になる点には注意が必要です。
クラウドFAX
クラウドFAXとは、従来のように紙で受け取るのではなく、FAXをインターネット経由で受信し、クラウド上にデータとして保存・管理するサービスです。受信データはPDFとしてメールに添付されるため、スマートフォンやパソコンからいつでもどこでも内容を確認でき、外出先やテレワーク中でも対応が可能になります。業務のスピードアップやペーパーレス化に貢献する一方で、PDFファイルのままでは内容検索が難しく、受発注システムのようにデータの一元管理はできません。結果として、仕訳や入力作業の手間は残る場合があります。また、クラウドFAXは月額や送受信ごとに利用料が発生するため、FAXの送受信量が多い企業ではコストが膨らむ可能性もあるため、導入前に料金体系をしっかり確認しておくことが重要です。
FAX-OCR
FAX-OCRは、FAXで受信した文書をOCR(光学文字認識)でテキストデータに変換するシステムです。
データ化することで、印刷コストの削減や保管場所の問題の解決、テキストデータをして保管することで検索性が向上するため業務効率が高まります。また、画像としてではなく、データとして取り込んでいるため、仕訳データとしても取り込むことが可能になります。取引先の発注業務のフローを変更する必要がないため、自社の受注業務を効率化するためには導入しやすいという点もメリットではないでしょうか。
しかし、手書き文字が読み取れなかったり誤認識したりする可能性があるのは頭に入れておきましょう。
FAXの受注を効率化するメリット
これまで、FAX受注を効率化するシステムやAIサービスの具体例についてご紹介してきました。では、それらを導入することで実際にどのような効果が得られるのでしょうか。業務の自動化や作業時間の短縮、人的ミスの削減など、導入によって得られる具体的なメリットを詳しく見ていきましょう。
手間を削減でき業務に集中できる
FAXをデジタル化することで、まず大きく削減できるのは、受信時に席を立ってFAX機まで書類を取りに行くといった移動時間や、受信した注文書をファイリング・仕分けする作業、さらにはデータを手入力するような単純作業です。これらの作業を省くことで、従業員はより付加価値の高い業務に集中できるようになり、生産性の向上はもちろん、会社の利益に直結するコア業務へ時間を充てられるという大きなメリットがあります。また、手入力が不要になることで入力ミスのリスクも軽減され、受注から納期管理、出荷まで一連の業務フロー全体において効率化が進み、業務品質の向上にもつながります。
入力ミスなどの人為ミスを軽減
受注業務に専用のシステムを導入することで、注文書の内容を自動で読み取り、データ入力や仕分けといった作業を効率化できます。これにより、人的作業による入力ミスや記載漏れといった人為的なミスを大幅に削減できるのが大きな利点です。また、従来必要だったダブルチェック業務も不要になるため、確認作業の負担が軽減され、処理漏れや誤送信といったトラブルの発生リスクを抑えることが可能になります。さらに、注文書の内容を自動で分類・仕分けすることもできるため、作業スピードの向上にも貢献します。人為的なミスの削減は、取引先との信頼関係の維持・強化にもつながる重要な要素といえるでしょう。
テレワークでも業務しやすい
デジタル化された受注データは紙を使わずに管理されるため、インターネット環境さえあれば、オフィスはもちろん、外出先やテレワーク中の自宅でも、パソコンやタブレット端末からいつでも閲覧・対応が可能です。これにより、24時間365日どこでも業務を進められる柔軟な働き方が実現し、働き方改革や人材の多様化にも対応できます。また、紙での管理と異なり、自然災害や火災といった緊急時にもデータがクラウド上に安全に保管されていれば、業務に必要な情報が失われることなく事業継続が可能になります。受注業務のデジタル化は、利便性の向上だけでなく、リスクマネジメントの観点からも非常に重要な取り組みです。
コストを減らせる
FAX業務をデジタル化することで、用紙やインクの消耗品コスト、さらにFAX機器のリース代などの設備維持費を大幅に削減することが可能です。特にFAXの送受信が多い企業では、これらの費用が積み重なり大きなコスト負担となっているケースも少なくありません。また、FAX対応のために専任スタッフを配置している場合、その人件費の見直しにもつながります。加えて、紙の補充やファイリング作業といった付随業務が不要になるため、従業員の作業時間を有効活用でき、全体の業務効率が向上します。結果として、無駄な残業時間を削減できるだけでなく、働きやすい職場環境の整備にもつながる点が大きなメリットです。
FAXの受注を効率化する際の注意点
ここまで、FAX受注業務のデジタル化によるさまざまなメリットについてご紹介してきましたが、導入にあたっては当然ながら注意すべき点も存在します。せっかくシステムを導入しても、運用に不備があれば逆に業務負担が増える可能性もあります。そこで本章では、導入時に特に気をつけたい3つのポイントに分けて、注意点を詳しく解説していきます。
必要な機能を明確にする
FAXの受注業務を効率化するにあたって、導入するシステムやサービスにはさまざまな種類があります。必要な機器やかかるコストもそれぞれのため、自社の業務フローに最適なものを選ぶことが重要です。
そのためにはまず、自社がどのような問題を抱えており、どのように効率化したいか、など明確な課題の洗い出しをするところから始める必要があります。つづいて、検索性を高めたいのか、外出先やテレワークでのアクセスを重視したいのかなど、使い方や目的を明確にすることで最適なシステムを選択することができるでしょう。
段階的に導入していく
FAX受注のデジタル化は一気に進めるのではなく、段階的に導入することが重要です。というのも、業種によってはFAXのデジタル化が適さないケースもあるからです。多大なコストがかかってしまったり、取引先とうまく連携できないなどの問題が発生しうるため慎重に検討し、無理のない範囲での導入が必要となります。まずは1回線から試してみる、FAXの利用が多い部署から導入し運用に慣れる、など工夫しながら導入の第1歩を踏み出すのもおすすめです。また、FAXだけを効率化しても業務の負担が高い場合は、受注管理や請求処理を一元化できるシステムを活用することなど、他の作業もデジタル化して効率化できないか考える必要があるでしょう。
セキュリティ対策をおこなう
データ管理をクラウド化する際には、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。情報漏えいリスクを防ぐため、社内のルール整備やセキュリティソフトの導入を検討しましょう。
書類をデータで管理する際、最も重要なのがセキュリティ対策です。サイバー攻撃による情報流出を防ぐためには、社内で明確なセキュリティルールを設けることが不可欠といえるでしょう。アクセス権限の管理やパスワードの強化、不審なメールやサイトへの警戒を徹底することが求められます。さらに、セキュリティ対策ソフトの導入や定期的なアップデートを行うことで、安全性を高めることも必要です。デジタル管理の利便性を最大限に活かすためにも、従来以上の対策を講じ、安心してデータを活用できる環境を整えましょう。
FAXの受注を効率化する際によくある質問
ではここで、FAXによる受注業務を効率化する際に多くの企業から寄せられる、よくある疑問や不安について解説します。初めてシステムやAIの導入を検討する場合、「導入のハードルが高いのでは?」「取引先の対応は?」といった不安を抱えることもあるでしょう。ここでは、そうしたよくある質問に対して丁寧にお答えしていきます。
FAXを止めるにあたって課題となるものはなんですか?
FAXの廃止を進めるにあたって大きな課題は、社内外の認識祖語や混乱をいかに防ぐかという点です。業務の効率化を目的にデジタル化を一斉に進めてしまうと、社員や取引先が新しいシステムに対応できず、業務の停滞を引き起こす可能性があるからです。そのため、まずは特定の部署や一部の取引先から段階的にシステムを導入し、徐々に運用範囲を広げていくことが重要です。システムに慣れるための研修を実施したり、サポート体制の整備、業務フローの見直しを行ったりすることで、スムーズな移行が可能になります。最終的に全員がデジタル環境に適応したタイミングでFAXを廃止すれば、トラブルを最小限に抑えることが可能です。
今後FAXは廃止されていきますか?
近年、FAXの廃止が進む傾向にあるのは間違いないでしょう。2021年4月13日には、当時の行政改革担当大臣・河野太郎氏が「省庁におけるFAX利用の廃止」に言及し、政府もデジタル化を推進しています。また、企業においてもペーパーレス化が進み、FAXに依存しない業務フローが求められています。さらに、環境への配慮や業務の効率化というSDGsの観点からも、FAXの使用は減少していく可能性が高いでしょう。現在もクラウドや電子契約の普及が進んでおり、電子取引が主流になりつつあります。今後、FAXを使用し続けることがコストや手間の面でデメリットとなるケースも増えていくため、早めのデジタル化を検討することが重要です。
社内でFAX効率化の予算を獲得するコツはありますか?
どの企業でもFAX受注の効率化を進めるためには、社内で予算を確保することが必要です。そのためには、抱えている課題を明確にし、FAXのデジタル化がどのようにその解決につながるかを経営層に具体的に示すことが効果的です。
例えば、「FAX業務にかかる時間とコストの削減」「テレワーク対応の強化」「ペーパーレス化による業務効率の向上」などのメリットを提示し、システム導入による費用対効果を説明します。加えて、現在の課題を数値化し、FAX業務にかかる人件費や紙の保管コストなどを可視化することで、より説得力のある提案が可能となります。予算獲得のためには、経営層が納得できる資料を準備し、段階的な導入計画を提示することがポイントです。
取引先にシステム利用を促す方法はありますか?
取引先がFAXでの受注を引き続き希望している場合でも、自社の業務効率化を図るためには、システム導入のメリットをしっかりと理解してもらうことが重要です。まずは、FAXを使い続けることで発生する課題―たとえば「注文処理の遅延」「誤発注のリスク」「ペーパーレス化の遅れによるコスト増」など―が、取引先側にも影響を及ぼすことを具体的に伝えましょう。その上で、実際に他社で導入された成功事例や改善効果を示し、業務の効率化やコスト削減といった導入後のメリットをイメージしてもらうことが大切です。取引先にとっても利便性が向上し、結果的に双方にとってメリットがあることを共有できれば、スムーズな運用移行が期待できます。
FAXから始める業務改革!システム活用で受注業務をもっとスムーズに
FAXでの受注業務は、システムやAIサービスを活用することで大幅に効率化することができます。手作業によるミスの削減や残業時間の削減が可能になり、受注処理のスピードも向上させることができるため、業務全体の効率化を実現できるでしょう。
ただし、急なデジタル化は混乱を招く可能性があるため、まずは一部の業務から段階的に導入するのがおすすめです。FAXとシステムを併用しながら無理のない移行を進めることで、スムーズなデジタル化が実現できます。業務負担を軽減しより効率的な受注管理を目指しましょう。
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