Rewrite the Standard.

【第6章(1/2)】今の時代にこそ利用すべきIBM i |『IBM i 2030 AI・API・クラウドが創る』

2025.01.28

2024年7月、IBM i ユーザーと関係者の皆さまへ向けた書籍『IBM i 2030 AI・API・クラウドが創る』を出版いたしました。本書の内容をより多くの方にお伝えするため、当ブログでは各章の要点を連載形式でサマリーとしてご紹介いたします。本記事では全体像を簡単にご理解いただき、さらに詳しく知りたい方はぜひ書籍の詳細をご覧ください。
今回は、【第6章(1/2)】今の時代にこそ利用すべきIBM i(本書P.128~)の内容をまとめています。

第6章 今の時代にこそ利用すべきIBM i

ビジネスの成否を左右するITシステムの選択

ITは現代のビジネスにおいて不可欠な存在であり、その戦略的活用が企業の成長に直接的な影響を与えることがあります。特に、ITシステムの選択は業務効率やリソース管理において大きな役割を果たします。ITシステムを構築する際には、複数のベンダーや製品が絡むことが多く、これが調整の難しさや利害関係の複雑化を引き起こす原因となっています。このような環境では、全ての関係者が同じ方向を向いてプロジェクトを進めることが難しく、IT人材に大きな負担を強いるケースがしばしば見受けられます。とりわけ多数派のx86アーキテクチャーも分散型の仕組みであり、ベンダーもそれぞれ独立しているため、こうした状況が発生しやすいのです。

一方で、IBM i は運用容易性に優れており、ハードウェアの更新やOSバージョンアップが迅速かつ簡単に実施可能です。ほとんどの場合、土日の2日間で作業が完了し、更新後の新環境への移行もスムーズで、業務に重大な影響を与えるような問題が発生することはほとんどありません。また、TIMIと呼ばれる仮想化機能やオールインワンの提供方針によって、データやプログラムが容易に新しい環境へ移行できる仕組みが整っています。

この仕組みにより、IBM i は既存のシステム資産を維持しながら安定した運用を可能にし、システムの担当者が他の業務にも注力できる環境を提供しています。

さらに、少子高齢化が進む現代において、IT人材の確保がますます困難になる中、企業は基幹業務を支えるITシステムが効率的に運用できる環境を求めています。特に業務が急速に変化するわけではない場合、基幹システムにおける運用の効率性と安定性がより一層重要になります。IBM i はその安定性と資産継承性の実績により、人的リソースを効率的に活用できる選択肢として注目されています。運用中の突発的な対応がほとんど必要なく、新たなビジネスチャンスに専念できる環境を実現することが可能です。

基幹システムの運用に追われることで、新たなITを活用したビジネスへの挑戦が妨げられる恐れがあります。しかし、安定性と資産継承性の実績があるIBM i を利用することで、効率的な運用が可能となり、ビジネス戦略に必要な人的リソースを確保できる環境を整えることができます。

クラウドでいつでもIBM i が利用可能な時代に

IBM i はIBM Powerサーバー専用の環境で稼働するため、これまではPowerチップを搭載したサーバーを購入しなければ試すことができませんでした。この制約により、IBM i の普及には一定のハードルがありました。しかし、2019年にIBMが提供を開始した「IBM Power Virtual Server(PVS)」によって、この状況は大きく変わりました。

PVSはIBM Cloud上で提供されるIaaS型のパブリッククラウドサービスであり、東京や大阪のデータセンターを含む複数の拠点で利用可能です。利用にはIBM IDを登録するだけで、必要なときにオーダーし、不要になれば削除できる完全従量課金制が採用されています。最小スペックでの利用料金は1時間あたり100円以下と手頃で、短期間の試用にも適しています。

このサービスの登場により、誰でも気軽にIBM i を試せる環境が整い、IBMが管理・運用する安心のインフラ上で、柔軟かつコスト効率よく利用できるようになりました。これにより、IBM i の認知拡大や利用のハードルが大幅に下がり、クラウド時代にふさわしい利便性が提供されています。

次のブログへ続く
前回の記事はこちら

本書や当社クラウドサービス「PVS One」関しるご質問などありましたら、お気軽にご相談ください。
▼詳しくはこちら
PVS One 公式サイト
オンライン相談
=================
お問い合わせ・ご相談はこちら