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【Las Vegas】IBM TechXchange 2024 参加レポート

2024.12.06

10月21日~24日に開催された『IBM TechXchange 2024 in Las Vegas』に、弊社の菅田が参加してきました。今回は、参加レポートをお届けします。

IBM TechXchange 2024 とは?

IBM TechXchange 2024は、IBMが主催する技術者向けの大規模イベントです。

IBMは、年に一度、Thinkという大規模イベントも開催していますが、ThinkはIBMのビジネス戦略の発表や最新情報提供を中心としたどちらかというと営業向けのイベントです。

一方、TechXchangeも年に一度開催される大規模イベントで、技術者による技術者のための情報提供、事例紹介、ハンズオンラボの場となっており、世界中からエンジニアが集まるイベントです。

TechXchange2024では参加者数が約5,000名にのぼりました。最新のAI技術やテクノロジーに関する情報提供をはじめ、デモやハンズオンセッションを通じて技術者同士が学び、交流する場として開催されました。

また、TechXchangeはエンジニア向けのイベントとしてだけでなく、「IBM Champion」の定例ミーティングも同時に開催される場となっています。「IBM Champion」とは、グローバルIBMにより運営されているプログラムで、IBMに多大な貢献をしている個人が「IBM Champion」として認定されます。「IBM Champion」に認定されると専用の研修プログラムが受けられたり、最新情報も優先して知ることができるなど、様々な特典が得られます。

今年は全世界の1,000名以上の「IBM Champion」のうち、300名ほどが集まりました。弊社の菅田と下野は2023年からIBM Championに認定いただいており、今回は代表して菅田が参加してきました。

IBM Championは特徴的なブルージャケットを身にまといイベントに参加します。会場内を歩いていると、ブルージャケットを着ているのを見た世界中の参加者から「Hi, Champion !!」と声をかけられることも多くありました。

アメリカらしく、TechXchangeの会場はとても広大です。一日で2万歩以上歩く日々でした。イベントでは個別相談ブースや事例紹介のセッション、テーマごとに分かれた30分程度のセッション、さらにAIやクラウドの最新技術を実際に体験できるハンズオンセッションが行われ、多彩なプログラムが用意されていました。

なお、ラスベガスという遠方での開催でしたが、日本からもエンドユーザー様やビジネスパートナー含めて約60名ほど参加してました。国際的な場で日本のプレゼンスを感じられる貴重な機会となりました。

フォーカスされているテーマ・関心度の高いテーマ

IBMは、インフラやアプリケーション、コンサルまで幅広く手掛けています。様々なテーマでセッションやブース展示が行われる中、以下二つに関して印象に残りました。

「Power Systems・IBM i プラットフォーム」への注目の拡大

Powerに関しては、昨年度よりもフォーカスされている印象でした。Powerのチップは、ロードマップが公開されいてそろそろ次期Powerチップのリリースが近づいています。今回のTechXChangeではPower11が来年(2025年)にリリースされるとのアナウンスがありました!

また、PowerはIBM CloudのPower Virtual Server(PowerVS)のセッションも多かったので、PowerおよびPowerVSの盛り上がりが感じられました。

長期間、安定して企業を支える基幹システムであるIBM i はとても価値のあるプラットフォームですが、これまでは最新情報を中心としたイベントでは、あまり注目される機会が少なかったように思います。しかし、PowerやIBM i は、他には真似できない独自のテクノロジーを備えており、近年、生成AIなど新しいテクノロジーに挑戦する場が増える中で、既存のサーバー構成を見直す動きが加速し、その結果、セキュリティ面で優れるIBM i に再び注目が集まり始めているのではないでしょうか。

「生成AI」への注目と期待の高まり

AIのハンズオンセッションは早々に満席となり、AIに対する関心の高さを強く感じました。ただし、現状ではどの企業もまだコンセプト段階の取り組みが多く、実践的に活用し業務に組み込むには時間がかかりそうだという印象を受けました。

IBM i にも生成AIのテクノロジーの適用が始まっています。IBMはRPGのコードを生成AIで説明するという機能開発に注力しています。まだまだプロトタイプといった印象もありますが、デモで実際に動くところを見ると、いよいよ生成AIがあらゆる業務に活用される時代がすぐそこにある!と感じました。生成AIのテクノロジーは想像を超える速さで進化しているので、今後も特に生成AIの情報をウォッチし続けたいと思います。

そんな中、弊社では11月に新たに『MONO-X AI』をリリースしました。これからの成長が期待できる分野で、まさに良いスタート地点に立てたと実感しています。

Powerテクノロジーの今後への活用

これまでの活用法に加え、新たな「Power」の使い方を見つけることは、企業成長の原動力になるはずです。この可能性に気づき始める人が増えてきているのは心強いことです。
MONO-XはPower・IBM i のポテンシャルを最大化するためのプロダクトとサービスの開発をビジネスとしています。IBM i という従来の堅牢な基盤とオープンなテクノロジーをつなぐサービスを提供しています。こうした価値を求めるお客様にしっかりと届けるため、今後もその魅力を広めていきたいと考えています。

全体のシェアからすると、Power・IBM i のシェアは小さいですが、Power・IBM i を選択し、業務の中枢に利用されている企業は他のプラットフォームでは得られないメリットを感じられていると思います。IBM i はAS/400から進化した現在そして将来も活用できるプラットフォームです。ITを取り巻く環境が激しく変化する中、Power・IBM i の信頼性と可能性に対する認知度や評価は高まっています。これからはMONO-X AIを軸に、PowerやIBM i の新しい活用方法を提案し、より多くの方々にその価値を訴求していきたいと思います。