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PVSのハマりポイント!~ネットワーク~

2024.11.19

今回お伝えするのは、PVSのリフトにおいて最も時間がかかりがちなハマりポイントである、ネットワークについてです。実はPVSはクラウドサービスでありながらインターネットに直接繋がっていません。『では、どうやって使うの?』と思われるかもしれません。そこで、2つのポイントに沿ってご説明します。

1. クラウドサービスなのにインターネットから使えないPVS

さて、インターネットから使えないPVSってどういうこと?って思いますよね。インターネットのIBM Cloudのポータルにログインして、カタログからPVSを選んでオーダーすると、PVSやIBM i の環境がすぐに立ち上がります。でも、このインターネット上のカタログでオーダーしたPVS環境は、「直接インターネットやクラウド外部に接続できない場所に作られている」ということが要注意ポイントなんです。つまり、PVSを利用するには、IBMクラウド内部でのルーティング設定が必要になります。PVSはIBM Cloudのカタログからオーダーできますが、ネットワーク的にはIBM Cloudのさらに奥底にあって、IBM Cloudのx86環境から経由して使わないといけないデザインになっています。

2. PVS利用のためのネットワークデザイン

『使いにくい』と思われるかもしれませんが、やめておこうと思うのはまだ早いです。PVSまでのネットワークというのは、それぞれの環境で作っていかなきゃいけないということに変わりはありませんが、いくつかのパターンに分けることができて、そのどのパターンで接続したいかが決まれば、ネットワーク構築もそんなに手間はかかりません。PVS Oneサービスでご依頼いただくと、すぐにPVSまでのネットワーク環境もご提供できますので、実際にそのデメリットを感じることはないと思います。

むしろ、PVSはパブリッククウラドサービスなのに、ネットワーク的には容易にアクセスできないところに存在しています。視点を変えると、PVSはIBM i の基幹システムにふさわしい『セキュリティが高いクラウド』とも考えられます。補足説明をすると、PVSにはインターネット接続機能も備わっていますが、この機能は業務利用としては推奨されておらず、解放されているポート、使えるポートも限られています。特にTelnetの23番ポートは空いていません。これはお願いしても空けてくれないので、IBM i ユーザーとしては使い勝手が非常に良くないです。

業務でのPVS利用には、x86環境を経由して接続する必要があることを覚えておいてください。PVSを使うには、オンプレからIBM Cloudまでのネットワーク、そしてIBM CloudからPVSまでの内部ネットワークを準備する必要があります。このPVS Oneで多くのプロジェクトをやらせていただいていますが、時間がかかるのはこのネットワークの部分です。PVSを使う上で1番重要なポイントは、ネットワークだと断言できます。もちろんIBM i 自体も大事ですが、IBM i ってそもそも移行が簡単にできるアーキテクチャですし、オンプレの時にも吟味して決めるスペックであっても、PVSだといつでも増強できるので、悩むポイントは意外と少ないです。

一方で、ネットワークというのは、ほとんどのお客様でIBM Cloud自体につなげることが初めてになると思います。ですので、そもそもIBM Cloudにつなげるまでに時間がかかります。基本的に、IBM CloudはAWSやAzureなど他のパブリッククラウドと同じようなイメージで専用線やVPNで接続することができます。でもPVSはIBM Cloudのさらに奥にあるので、ルーティング設計、ネットワーク設計が複雑になります。

ネットワークは、各お客様、環境ごとにバリエーションがあるので、実際の構成に落とし込んでいくと、同じパターンが存在しないくらい個性のある世界です。ネットワーク構成は各プロジェクトごとに異なるため、早い段階からのネットワーク検討がPVSリフト成功の鍵となります。PVSに興味のあるお客様の関心はPVS、IBM i 自体のことだと思いますが、MONO-Xとしてはネットワークの話をできるだけ早いタイミングでさせていただきたいと思います。

…と、ネットワークが大変そうなイメージを与えてしまったかもしれませんが、私たちMONO-Xはネットワークを含め、IBM CloudとPVSに豊富な経験があります。PVSのご利用をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

IBM i をもっと上手に活用していきたいお客様も、IBM i で最新機能にチャレンジしながらいい仕事がしたいという方も、パフォーマンスデータの取得手順から支援させていただきます。

その他、ご質問や不明点がございましたら公式サイトをご覧ください。
また、オンライン相談も受け付けておりますので、ぜひご利用ください。

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